今回は射撃場の使い方や、実際にクレー射撃を始める前に体験できる方法などを紹介します。

1 所持したら射撃場へ行こう

猟銃所持許可を取得し、銃を受け取り、警察署での確認まで終われば、さっそく射撃場へ行ってクレー射撃を楽しみましょう!

 

ゴルフの場合、ビギナーがいきなりゴルフ場に行ってプレーするのはかなりハードルが高いですよね?

通常、ゴルフを始めた場合、まずは練習場に通ってかなりの玉数を打ち込む、というのがセオリーかと思います。

 

ところで、クレー射撃は銃を所持していきなり射撃場に行っていいのでしょうか?

 

 

はい、いいんです。

※もちろん、自宅で練習用のダミー薬きょうなどで銃の安全な取扱いなどには習熟しておきましょう。

 

射撃場の利用方法

散弾銃を手にしようと思うことが無ければ、射撃場は一般的にはまったく縁のない場所で、なんだか敷居が高そうですよね。

ただ、初めて射撃場に行くときに緊張するのはみんな同じですのでご安心ください。

そして射撃場の利用方法に難しいことは何もありませんので、重ねてご安心ください。

もちろん、最初は誰かセンパイに連れて行ってもらうというのが一番確実かつ安全安心ではありますので、そういったツテがあまりない方に今回のブログが参考になれば幸いです。

 

 

 

射撃場に着いたら、たいていはゴルフ場のようにクラブハウスが駐車場に隣接されているので、中の受付カウンターに行き、まずは受付を済ませましょう。

所持許可証を提示し、受付用紙がありますので氏名・住所・所持許可番号などを記入します。

それから受付の射場スタッフの方に、自分がその日にトラップかスキートか、どちらを撃ちたいのか伝えると、その場で名前を書いたスコアカードを作ってくれますので、それを受け取れば、受付はこれで終了です。

 

あとは服装や装弾、銃の準備をし、スコアカードを持ってそれぞれの射場へ向かいましょう。

その日に使う弾を射場で購入予定の場合は、受付時に購入できます。

 

大事な銃の取扱いについて、射撃場の敷地内といえど車に置きっぱなしは厳禁です。

銃は受付時も肌身離さず持っておくというのが原則ですが、射場によっては受付カウンター近くの銃架(銃を立てて置くところ)を利用したり、個別に鍵を管理できるロッカーが備え付けられていたりしますので、初めて行く射撃場では、射場スタッフに最初に確認するのが良いでしょう。

 

クレーを撃ち終わった後は、受付カウンターにスコアカードを提出し、料金を精算します。

 

一人で行っていいの?

トラップまたはスキート射撃の1ラウンドの最大同時プレーヤー数は6人です。

多くの日本の射撃場の射面数は、大きいところでもトラップ、スキートともに2面ずつではないでしょうか。

ということは、例えば1人で射撃場に行った場合、射面を一人で占領してしまって大丈夫なのか?という心配も無きにしも非ず。

 

これもご安心ください。

ボーリング場でゲーム中に特定のレーンを占領するのとは異なり、クレー射撃の場合、猟友会など特定グループの射撃会でも無ければ、その日に訪問したプレーヤーが一緒に射団を組んでプレーする、というのが一般的な楽しみ方です。

 

ですので、一人で射撃場に行っても、先に来ている他のお客さんたちと一緒になってプレーすることが出来ます。

 

もちろん、ビギナーなのでストレート固定で撃ちたいなどの要望があれば、射場スタッフに伝えて射団を分けてもらうことも可能です。

 

出かける前の注意事項

さっそく射撃場へ行きましょう!とは言ったものの、出かける前に注意すべきことがいくつかありますので、参考にしていただければ幸いです。

●絶対に忘れてはならない所持許可証

銃を携行、運搬するときには、猟銃所持許可証を一緒に持ち歩くことが義務となっています。
銃と所持許可証はセットで持ち歩くことを常に意識しましょう。

 

●火薬類等譲受許可証の残弾数と有効期間

クレー用の装弾を購入するためには、事前に警察署で猟銃用火薬類等許可譲受証を申請して入手しておかなければなりません。

銃砲店や射撃場で弾を買うには、基本的にこの許可証が必要になります(※)

※狩猟をする場合は、猟期に合わせて猟友会などから「無許可」譲受証が交付される場合もあります。

 

この許可証は、銃の所持許可証内の指定ページに記載されたり、都道府県によっては別冊になっているところもあります。

譲受許可証で弾を買うには、譲受許可弾数にまだ余裕があること(ゼロでないこと)、有効期間内であること、が必要です。

射撃場に着いてから、実は許可弾数を使い切っていたとか、有効期間が切れていたとかに気づいた場合、その場ではもうどうしようもなく、その日は弾を購入することができません。

射撃場に行く日を決めるとき、譲受許可証の記載内容の確認をしておき、必要があれば新たに譲受許可を警察署で申請しましょう。

 

●不要な立ち寄りがないよう準備万端に

お腹が空いた、喉が渇いた、などの生理現象はクレー射撃でもつきものですが、銃を持って出かけた後は出来るだけコンビニなどに立ち寄ることは控えるようにしましょう。

所持の用途に付随する行動で、特に生理現象に伴うものでの射撃場や猟場以外への立ち寄りは、すぐに違法となるわけではありません(※)

※立ち寄りの場合の注意喚起の通達が警察庁から発出されていますし、法律も「メシ食うな」「トイレ行くな」とは言えませんので。

 

しかしながら、銃の紛失や盗難などを防止する観点から、出来るかぎり不要な立ち寄りは控えるべきということは皆さん、ご理解いただけると思います。

食事は済ませるか、あらかじめ準備して持っていくか、もしくは射撃場内の施設を利用するなどが最善でしょう。

もちろん、銃を携帯・運搬した状態で所持の用途外の行動(※夕飯の買い物など)は厳に慎まなければなりません。

 

ビギナーは事前連絡が吉

ビギナーの方で、特にその射撃場に初めて行く場合は、事前に電話で射撃場に「初めて利用する」「自分は初心者である」旨を連絡すると良いでしょう。

 

 

射撃場側としても初心者の方と分かっていれば、受付方法から親切に教えてくれますし、射撃場内での銃の安全な取り扱いなどの指導も受けられます。

自分がクレー射撃ビギナーであることをあらかじめ伝えておくことで、ベテランの方々とは射団(クレーを一緒にプレーするグループ)を別にしてもらえたりと、積極的な配慮もしていただけます。

また、クレーをストレート方向のみに固定して射出してもらったり、通常15メートルからのところを、10メートルや5メートルと近い距離から撃たせてもらえたりもします。

 

テレビやSNSでは、巧い方々のプレーを目にすることが多く、「こんな感じでスマートに撃たなくちゃ!」と思うかも知れませんが、最初に肝心なのは

・銃を安全に取り扱えるようになること

・クレー射撃のルールを理解し、プレー中の立ち居振る舞いを身につけること

です。

 

クレー射撃の動作は、そもそも銃を安全に取り扱うことにもつながりますので、狩猟をメインに楽しもうと考えている方にも、クレー射撃をひととおりプレーできるようになることは、大変意味があります。

射撃場には専任の射撃指導員が常駐していたり、ビギナー向けの射撃会も開催されていたりしますので、ビギナーであるからこそ積極的にアピールする方が、吉と出ることが多いでしょう。

 

2 クレー射撃を体験したい!

ここまで銃の所持許可について説明して来ましたが、銃の所持許可を取るのは、正直言って一苦労ですよね。

その苦労の甲斐があるかどうかは所持してみないと分からないという現実がある限り、許可へ向けた第一歩はなかなか踏み出しにくいと思います。

クレー射撃に興味が出て来たときには、誰しもが「どこかでクレー射撃体験とかできないの?」と思うものですが、射撃場で試しに1ゲーム撃たせてもらう、なんてことも出来ません。

じゃあどうするか?というと、実は射撃場は見学ができたりしますし、ほかにもシミュレーターやVRゲームで模擬的にクレー射撃を体験するという方法が存在します。

 

射撃場は見学可能

クレー射撃に興味がある場合、そもそもほとんどの射撃場が一般の方の見学を受け入れていますので、実際に射撃場に足を運んでみる、というのが手っ取り早いかも知れません。

百聞は一見にしかず、という諺のとおり、実際に射撃場に行くことで、クレー射撃とはどんなものか知ることが出来ますし、どんな人たちがクレー射撃をしているのか、なども知ることが出来ます。

 

見学を希望する場合は、事前に射撃場に連絡をしましょう。

扱うモノがモノだけに、誰かれ構わずウロついていい場所では決してありません。

銃砲店や所持者の紹介や同行が必要な場合もありますので、見学だけならいいやろ~と、気軽な気持ちのみでいきなり行くのはやめましょう。

 

また、見学者といえど、最初に射撃場で受付を済ませることは必須で、そこで首からぶら下げる見学者プレートなどを借りることになります。

受付をせずに勝手に射撃場の中をウロつくのは、ただの不審者、不法侵入者になりますので、絶対やめましょう。

 

実は都内で遊べるシミュレーター

都内や関東在住者の方には朗報かも知れません。

実は東京都23区内にはクレー射撃シミュレーターを常設しており、一般の方が遊べる場所があります。

それが、金子銃砲店さんの2階にある「トーキョークレーシューティング」さんです。

 

トクエイ株式会社ホームページより転載

https://www.tokuei2020.co.jp/

 

トーキョークレーシューティング
https://www.tokyoclayshooting.com/
東京都板橋区上板橋 2-41-3金子銃砲店2F

 

こちらにはトクエイ株式会社さんが販売している本格的クレー射撃シミュレーターが常設されています。

トラップやスキート射撃を臨場感あふれる映像でプレイできるほか、使用する模擬銃がかなりリアルなので、ホンモノに近い感覚でクレー射撃を体験することができます。

利用料金や営業予定など詳しい情報は、上のリンクからホームページをご確認ください。

 

VRゲームで体験する

クレー射撃の「体験」ということであれば、私はやったことがないのですが、最近ではVRゲームでプレーするという方法もあります。

 

FULLCHOKE:Clay Shooting VR
https://www.oculus.com/experiences/rift/2574005275978874/

 

Clay Hunt VR
https://www.oculus.com/experiences/quest/4341884889233002/

 

どちらもMeta QuestのVRキットとアプリを購入すれば、自宅でクレー射撃を体験することができます。

投影面積が限られたシミュレーター以上に、VRならではの作り込まれた世界観にひたることが出来るので、すっかりクレー射撃のプレイヤーになり切ることができるでしょう。

ただし手に持つのは模擬銃ではなくVR用のコントローラーになるので、実際に銃を構える感覚とは少々異なるかと思いますので、そこは注意が必要です。

 

所持許可に向けてシミュレーターなどを活用

一種のゲームとしてクレー射撃の体験だけ出来れば良い、クレー射撃で「遊びたい」という方には、VRゲームが良いと思います。

一方、模擬銃を使えるシミュレーターは、実際に所持許可を考えている、または所持許可の手続きを始めたという方には良い練習となる場合もあります。

 

例えば許可手続きの第2段階である教習射撃では、実際に射撃場で実弾を使ってクレーを撃つことになります。

初めて実銃に触れ、その当日にいきなり実弾を撃つうえ、さらに当日は実技試験に位置づけられているので、ほとんどの人は緊張しますよね。

そこで、緊張でガチガチになりやすいと自覚のある人は、事前にシミュレーターで体験しておくことで本番の緊張度合いを和らげることができるかも知れません。

 

 

さて、次回からはクレー射撃で使用する、銃以外のアイテムについてご紹介していきます。

次の話はこちら

Vol.5 射撃ベストはスポーツウェア

前回の話はこちら

→Vol.3 種類別、散弾銃の特徴

 

 

 

 

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