はじめに

狩猟解禁から早や一カ月。今回のブログでは、狩猟解禁直前の10月に当方へのお問合せが最も多かった「ライフルスコープの困ったな?をまるッと記事にまとめていきます。

*本記事では1MOA≒約3㎝ at 100mとして話を進めさせていただきます。

 

1.ゼロインからはじめよう。狙った所にあてる準備

ゼロインが…(というか、それ以前にどこに弾が着弾しているのか不明…)。

先ずはお問合せナンバーワンのゼロイン時のお困りごと。

といいますか、それ以前にどこに弾が着弾しているのか不明というもの。

 

射撃場での試射へ進む前の大前提といたしまして、ライフルスコープが正しく銃器(空気銃または装薬銃)に取り付けられていることは必須事項であります。

先ずはこちらを踏まえて記事を進めてまいります。

 

射撃場にて全くの事前準備無し状態からスコープの取付けを行わざるを得ない状況になってしまったハンター様、まれにいらっしゃるかもしれません。

しかしながら、スコープの設定作業については、予備知識あるいは経験無しにチャレンジすることは回避した方が良いです。

 

また、不慣れな作業をしながらの射撃は大事故に繋がるおそれもあるため、スコープ搭載作業などに不安がある方は必ずお近くの銃砲店様へご相談ください。

 

ゼロイン作業前では、スコープで覗き見えているポイントと、弾の着弾点は全くことなります。

スコープの狙点と、弾の着弾点を合わせる作業がゼロインですので。

 

上にイメージ図を用意してみました。

実際の作業プロセスでは、スコープに内蔵されているウィンデージ/エレベーションダイアルといった調整機構を触りながらの設定になり、初めての場合は少し複雑に感じるかもしれません。

 

射撃場での確実なゼロイン作業のためには、銃を固定できるしっかりしたシューティングレストもあると便利です。

 

2.私の弾はどこに着弾? 安全な射撃を心がける。

どこに弾が着弾しているのか不明…。

特に空気銃で多いかもしれませんが、自分が撃った弾の着弾点を自分自身が把握できないという状態。

 

ゼロイン以前に着弾点がスコープの狙点から大きくズレていることはよくあり、ウィンデージ/エレベーションダイアルでそれを調整していくわけですが、上手く行かない場合にスコープの不具合がまず疑われがちです。

 

しかしながら考えられる原因は、スコープ本体の不具合ではなくスコープの取付けや銃器本体にある場合もございますので、問題解決が難しい場合は銃砲店様へご相談ください。

単に着弾点が見えない場合、特に空気銃用のペレットは着弾の穴が小さい為、高倍率のスポッティングスコープや、VixenアテラⅡ16×50防振双眼鏡といったそれらに相当する双眼鏡があると確認がしやすいかもしれません。

 

3.よく見えるように。

レチクルが何かボケボケ?

こちらも上位ランクインお問合せテーマのひとつ。

 

レチクルのピンボケについては簡単に解決できます。

お手元のスコープの接眼部(見口)にはディオプターと呼ばれる調整ツマミが付いています。

スコープを覗きながらツマミを回し、レチクルのピントが合う所で作業は完了です。

 

ちなみに写真のスコープはVixen 4-16x44BDC

こちらのスコープは1インチ径スコープでは大変人気のロングセラーモデルです。

サイドフォーカス付き安定の1本。

 

4.標的のピントをあわせたい。

ロングレンジ向けのスコープ(Vixen Artes 5-30x56EDVixen 6-24×58など)は、標的までの距離(例:30m、50m、100m、150m…)に応じ、スコープ側での簡単な調整が必要です。

 

結論から申し上げると、サイドフォーカスを使いましょう、ということになります。

獲物がいる位置(距離)に目盛りを合わせることで作業は完了です。

 

但し、サイドフォーカスが無いスコープ(*倍率x10以下の製品、固定パララックス)の場合は少し話が変わってきますので本記事では触れずにおきます。

 

標的までの距離が知りたい。

狩猟向けの距離計をお探しなら、ドラサイトという便利なドットサイトもございます。

 

5.イノシシが揺れている?

さて、スコープでたびたび登場するFFPとSFPというワード。

そしてこれらワードに深く関わっているのがレチクルです。

 

ライフルスコープには第1焦点面(FFP)、第2焦点面(SFP)のいずれかにレチクルが配置されています。

ズーミングに合わせて拡大するレチクル(FFP)、ズーミングでも大きさが常に変わらないレチクル(SFP)、更には2つの焦点面それぞれにレチクルが配置されているデュアルレチクル。

 

お手元のスコープのレチクルはこれらのどれかに該当し「対象が揺れる」 原因は、レンズを通して結像された標的のイメージ(像)が、これらの焦点面に配されたレチクルと合致していないために起こります。

 

サイドフォーカスというのは、この僅かなズレ(視差)を補正する際に重要な役目を果たすスコープの内蔵機構です。

レチクルのピント調整(ディオプタ―) → 倍率設定(ズーミング) → サイドフォーカス調整の手順で問題は解決します。

 

6.距離とレチクル移動量?

上図は視覚化イメージです。

ライフルスコープにはMilやMOAという単位がでてきます。

1Mil(ミル)、1MOA(エムオーエー)というのは、たとえ何十または何百メートル先でも1Milであり、あるいは1MOAです。

 

お手元のスコープのダイアルには1/2, 1/4, 1/8といった分数がこれらの単位とともに印字されているかもしれません。

これらはスコープのエレベーションやウィンデージ調整時に知る必要があります。

 

重要なポイントは同じ数値であっても、異なる地点における移動量。

すなわち100m地点の1MOAは約3㎝であり、50m地点での1MOAは半分の約1.5㎝、ということです。

それでは距離50mで約3㎝の着弾点補正をしたいときのMOA移動量は?(正解は2MOA)といった具合に知っておくと便利です。

 

ロングレンジならエラタック傾斜マウントを使用するのもおすすめ。

ハンティングのスタイルと使用する猟銃はハンター様それぞれ異なります。

エラタック傾斜マウントは、ドロップ量の多いペレットを用いるエアライフル(空気銃)に効果的です。

マウントに内蔵されているダイヤルを回すだけで着弾点の補正が可能です。

 

まとめ

今回のブログ記事は猟期シーズンのライフルスコープ周辺に関するリカバリーヒント集でした。

ハンターズショップ様ではビクセンのライフルスコープに加え、双眼鏡のお取扱いもございますので関連ブログ記事とあわせ、ぜひご検討ください。

それでは皆さま、狩猟時の安全対策と猟銃管理には十分にお気を付けて戴き、楽しい猟期をお過ごしください。

 

【VEMA(ベマ):プロフィール】

ドイツと狩猟とおいしい話という狩猟用光学機器に関する情報発信Websiteを運営しています。DoRaSight(ドラサイト)、ドイツ製のデントラーマウント、及びエラタックマウントの日本販売総代理店です。ドイツの狩猟見本市、狩猟事情にまつわるブログも不定期に書いています。よろしくお願い申し上げます。

 

 

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