間もなく銃検査の時期が始まるかと思いますが、令和7年の改正銃刀法施行から1年が経過し、警察庁保安課から新たに、銃検査の実施要領に関する通達が発出され、掲載されていました。

銃砲刀剣類所持等取締法第13条の規定に基づく検査の実施要領について(通達)

(令和8年1月21日発出)

 

本通達は警察庁生活安全局保安課長名で発出され、各都道府県警察本部長宛てになっていますので、令和8年中の銃検査はこの通達に基づいて実施されることになります。

本通達の気になる点を以下、自分の理解の整理も兼ねて、一部抜粋しつつ独断と偏見で書き連ねます。

 

 

1 所持の用途

 第1 目的

本検査は、所持許可を受けている銃砲等ごとに、
○ 所持許可に係る用途に供しているか
○ 所持が適正に行われているか
を厳正に検査・調査し、適正とはいえない状況があればそれを是正することを目的としている。
また、所持許可に係る用途に供しているかなどを把握する中で、許可不適格者となるおそれがあると認められる者については、更に入念な検査・調査を行うことが危害防止の観点から重要である。

昨年の銃刀法改正の要因ともなった痛ましい事件がありましたが、その際、事件を起こした所持者は複数丁の猟銃を所持していた、と聞きました(報道ベースですが)。

当然ながら、こういう事件が起きた以上、不要な猟銃は所持させない、という規制魂を警察は前面に押し出して来ます。

個人的にも不要な銃が出回ることは防ぐべきと考えておりますが、所持銃については用途、実績を鑑みて現状維持、増銃、減銃を検討すべきでしょうね。

 

2 「検査項目」で気になるところ

(1)使用実績の疎明資料

第3 検査項目等

1(1) 対象の銃砲等が猟銃の場合は、法第10条の5の2の帳簿及び火薬類譲受許可証に記載された事項並びにこれらについての対象者の説明を照らし合わせるなどして、猟銃ごとに所持許可に係る用途に供しているかについて確認すること。
また、狩猟又は有害鳥獣駆除の用途で所持許可を受けている者が、当該用途に供するため猟場に出掛けたが獲物の発見に至らず発射していない場や、発射はしたが帳簿に狩猟又は有害鳥獣駆除の別が記載されていない場合帳簿等に記載された事項のみでは当該猟銃を所持許可に係る用途に供しているかについて確認できない場合は、対象者に当該猟銃の使用実績報告書を提出させ、所持許可に係る用途に供しているかについて確認すること

所持許可の用途に則した使用実績があるか否かは、基本的に実包管理帳簿で装弾の出納を確認することで判断されます。

この点、猟場に持ち出したけど発砲しなかったときはどうするのか? 空気銃のペレットは実包管理帳簿の記載義務がない(火薬を使わないので)けどどうするのか? といった疑問があり、私の知る限り都道府県ごとに求められるものはマチマチだったかと思います。

今回の通達では、上の引用部分で一部赤字にしましたが、使用実績についてまずは「帳簿『等』」に記載されている事項で判断されるので、「帳簿」に加えて射撃時のレシート類、スコア表、出猟カレンダー、自分の備忘録等々、を準備しておきましょう。

それらで確認できない場合は、加えて「使用実績報告書」の提出を求められる、ということになります。

 

もう一点付け加えると、「猟場に持ち出したけど発砲しなかった」ということが、使用実績として認められるのか? というそもそもの疑問もありましたが、上記のとおり認められることが前提になっていますので、ここは明確になって良かったんではないでしょうか(大阪では従前から認められていますが)。

 

(2)複数丁所持の場合

第3 検査項目等

1(3) 同一の用途に供する目的で同種の猟銃、空気銃又はクロスボウ(以下「猟銃等」という。)を複数丁所持している場合には、猟銃等ごとに真に当該用途に供する目的や具体的計画があるか、当該用途に供した使用実績があるかなどについて厳正に確認すること。

ここも不要な猟銃を所持させない、という意図が明確になっているところかと思います。

まあ、同じ種類、用途の猟銃が、なんで複数必要やねん?というのは、所持していない人からすれば当然の疑問とも思います。

しっかり使い分けをしましょう。

 

(3)複数「替え銃身」所持の場合

第3 検査項目等

1(4) 対象の猟銃に替え銃身がある場合であって、複数の種類(ライフル銃又はライフル銃以外の猟銃の別をいう。)の銃身がある場合には、帳簿に記載された当該猟銃で使用された実包の種類(単弾又は散弾の別をいう。)を確認するとともに、その出納状況及び対象者の説明を照らし合わせるなどして、各種類の銃身を使用しているかについて確認すること。

この項目が過去に明記されたものがあったか否かは分かりませんが、今回は「替え銃身」ごとの使用状況を確認すべし、と明記されました。

銃本体だけでなく、不要な銃身も所持させない、ということが明確になってます。

ライフル銃や空気銃で替え銃身というのはほとんどないかと思いますが、散弾銃で複数の銃身を所持している方は、しっかり使い分けをして、使用実績を積み上げましょう。

 

(4)ライフル銃の使用実績

第3 検査項目等

1(5) ライフル銃(標的射撃の用途に供するため許可を受けているものを除く。)については、クマ、イノシシ、シカ等の大型獣類の捕獲等に適するものであるところ、ライフル銃をその特性に沿った用途に供しているか(鳥類の捕獲等の用途にのみ供していないか)について確認すること。

ライフル銃ももちろん用途に則した使用がなされているか確認されますが、気になったのは赤字のところ。

「鳥類の捕獲等の用途に『のみ』供していないか」も確認せよ、となっていますが、ライフル銃って「鳥類の捕獲等」に使っていい場面ってあるんでしたっけ?

単純に、ライフル銃=大型獣類(クマ、イノシシ、シカ)の捕獲用、と理解していましたが…。

特段、鳥類の捕獲等にライフル銃を使いたいわけではないですが、興味本位で後々、調べることとします。

 

(5)弾倉容量

第3 検査項目等

2(2) 弾倉容量は、模擬弾等の資器材を活用するなどして、法令で定める基準が遵守されているかについて確認すること。

当たり前ですが、許可時の弾倉容量を改変してはいけませんし、この点もしっかり確認しなはれや! っと改めて明記されております。

個人的に気にしているのは、近年は空気銃の所持者数が増え、また空気銃「のみ」を所持している方も増えていると実感しておりますので、空気銃の弾倉(マガジン)についても確認される可能性が高いのでは、と思っています。

特に近年の海外製PCPエアライフルに付属しているマガジンは多弾倉化が進んでいます(※日本国内流通までのいずれかの段階で5発装填用に改造しているものが多い)し、また多弾倉化が原因ではないにしても空気銃の使用で発生した事故も増えて来ているので、空気銃自体への注目度は上がることはあっても、下がることはないでしょう。

空気銃についてももちろん、弾倉容量の改変などはしないよう、十分ご注意ください。

 

3 あまり使っていない猟銃に対して

第4 検査実施上の留意事項

3 対象者に対する指導等

(1) 1年以上所持許可に係る用途に供していない猟銃等を認めたときは、具体的な使用計画を聴取し、計画の内容に応じて譲渡、廃棄等の意向を確認すること。

1年以上、所持許可に掛かる「用途」に供していない猟銃に関しては、以降の「具体的な使用計画」を聴取されます。

そして「計画の内容に応じて」となっていますが、要は「具体的な使用計画」が無いとか、「具体的」と認められない場合には、「譲渡、廃棄等」を指導される(「意向を確認」となっていますが)ということでしょう。

ここでも、使わない銃は所持させない、という意図が明確になっているかと思います。

 

4 使わない銃は所持しない

この通達を読むと、まあ、我々所持者が注意すべきことは「使わない銃は所持しない」、これに尽きると思います。

銃だけでなく「替え銃身」も対象に含まれていることも要注意です。

 

そもそもコレクション目的での所持許可は下りませんので、用途に則した使用実績をコツコツと積み上げる必要がありますし、ウチで銃を購入いただいたビギナーの方々にもそう説明させていただいております。

 

猟銃自体は機能面を判断されるだけでなく工芸品であったり、美術的または歴史的価値が認められるものがあったりと、使用を前提としない所持や所有が認められるべきものもあるかと思いますが、日本で銃に対する一般認識がその域に達することは、なかなか難しいかと思っていますので、粛々と法令を遵守しましょう。

 

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