エアライフルを先日ご購入いただき、譲り渡しも完了したお客様から連絡をいただきました。
「弾を何発か装填してしまい、引き金を引いても弾が出ない。弾が詰まってしまったようだ」とのこと。
修理対応のご依頼をいただき、無事に取り出したところ、5発装填されていました。
(※写真は4発ですが、合計5発でした)
おそらく、何かしらの理由で最初に2発装填(ダブルチャージ)してしまい、そのまま発射したところ銃身内で停弾。
続けて装填と発射を繰り返したところ、完全に弾が詰まってしまったようです。
今回は比較的簡単に詰まった弾を取り出すことが出来たので大事には至りませんでしたが、場合によっては大掛かりな分解修理が必要な場合もありますので以下、ご注意ください。
ダブルチャージ(二重装填)をしないために
・「コッキング(装填)は発射直前にする」を徹底
二重装填してしまうパターンとしてよくあるのが、発射するつもりでコッキング、閉鎖したものの、スコープの照準や調整作業、誰かに話しかけられたりしているうちに、装填していることを忘れて再度装填してしまう、ということがあります。
照準を合わせたり、スコープを調整するなどは先にすべて済ませ、発射直前の最後にコッキング、閉鎖し、そのまま射撃する、という手順を徹底しましょう。
・マガジンへの装填数を1発ずつにする
通常、エアライフルのマガジンには5発入りますが、連発する必要性がないときは1発ずつマガジンに入れて装填する、という方法で物理的に二重装填を防ぐことができます。
メーカーや銃の種類によっては、付属のシングルショットトレイなどを活用することも良いと思います。
ダブルチャージしてしまったかも?というとき
・まずは安全確保
まずは落ち着いてコッキングレバーを引き切ってボルトを開放し、引き金の安全装置がオンになっていることを確認、万が一、暴発しても大事に至らないよう銃口を安全な方向へ向けましょう。
・柔らかい棒状のものを銃口側から通す
出来るだけガンバイスなどで銃を安定させた状態で、口径よりやや細く、柔らかい素材の棒状のもの(※)を銃口側から通します。
このとき銃口から銃身内を直接覗くことは大変危険ですので、絶対にお止めください。
ペレットが変形などしていなければ、棒を少し小突いてやると、そのままゆっくり装填孔方向へペレットを押し出すことができるはずです。
このとき、無理やり押し出そうとすると銃身内を傷つけたりする可能性があるので、無理は禁物です。
どうにも押し出せそうにない場合は、お近くの銃砲店にすぐにご相談ください。
※棒状のもの
ホームセンターで直径5ミリぐらい~、長さ90センチぐらいの細い棒状の木工素材が売ってますので、それがおススメです。
出来るだけ銃を購入したと同時期に用意し、ガンケースなどに入れて一緒に持ち歩くようにしましょう。
二重装填に限らず、装填したけど発射に至らず脱包する場合にも使えます。
停弾を起こす可能性は常にある
ダブルチャージのほかに、そもそも何かしらの理由で停弾(ペレットを発射はしたが銃身内部で停止してしまった状態)する可能性は常にあります。
残圧が少ないまま発射した、変形したペレットが引っ掛かった、銃の不具合で必要な圧力で発射されなかった、などなど原因はさまざまです。
当たり前の話でもありますが、発射した際には弾がちゃんと出ているか1発ごとに着弾を確認しましょう。
もし着弾が不明な場合は安全を確保した上で停弾がないか確認してから次弾を装填するよう心掛けましょう。
銃を安全に取り扱うために大切なことですし、無理な扱いをすると修理代も高額になって来ますので、くれぐれもご注意ください。
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皆さまのご用命を心よりお待ちしております。
銃猟歴11年、知識先行型の現役ハンターで、紀州系猪犬でヨメ様(スタッフの一人)と2銃1狗で狩猟中。狩猟、射撃、アウトドア用品の発掘・販売がライフワーク。公務員経験が影響し、狩猟を取り巻く各種法令に関心強め。狩猟誌『けもの道』(三才ブックス)の立上人であり、現在は制作協力という名のもと監修、取材、ライターなど、よろず屋として何でもこなす。射撃場や猟場で見かけたらお気軽にお声がけください。