はじめに

今回は第6回目ブログになります。

狩猟でフィールドへ向かう際に、ライフルスコープと同じく重要なギアが双眼鏡。

現場で目的の獲物を素早く見つける際に役に立ちます。

 

双眼鏡にもいろいろな種類があり、対物レンズ20mmまたは25mmのハンディーな大きさから、30mm、42mm、そして50mm。

ドイツでは対物56mmといった重力級まであったりします。

 

双眼鏡の対物レンズ径というのは、倍率に応じて多様なタイプが用意されています。

 

1 狩猟用に求められるスペック

暗所に強い

フィールドが常に明るいということは約束されておらず、天候や周囲の環境によって薄暗い条件下でのハンティングも猟期を通じて少なくはありません。

むしろ、曇天といった条件の方がより良い猟果を得られるのではないでしょうか。

 

今回ご提案する3本の双眼鏡

このたび、埼玉県所沢市に本社を置く株式会社ビクセン様のご厚意により、3本の双眼鏡をお借りすることが出来ました。

●アペックスJ HR8x42ED

●アトレックライトⅡ BR 8×30

●アテラⅡ ED H16x50WP防振双眼鏡

の3本。

これら3種の双眼鏡、それぞれが異なる特徴を持っているユニークな光学機器です。

 

同じく埼玉県にある長瀞射撃場における試射のタイミングで、これら3種の双眼鏡を50メートル先にある標的の着弾点チェックに使ってみました。

結論からお伝えすると、射撃場での弾痕確認として機能したのはアテラⅡ 16 x 50 防振双眼鏡のみでしたが、その他に以下でご紹介するビクセンの8倍双眼鏡も狩猟用途としては活躍間違いなしの優れもの。

ライフルスコープとあわせてご使用いただきたい光学機器です。それではさっそく第6回ブログいってみます。

 

50メートル先の標的

50メートルというのはそれなりに遠いです。

射撃場での着弾点の確認作業には、三脚に固定されたスポッティングスコープ(又はフィールドスコープ)が用いられます。

これは一般的な双眼鏡の倍率では、例えば空気銃の5.5mmペレットの着弾点確認は難しいからです。

 

しかしながら、ビクセンのアテラⅡ16×50やってくれました。

何という事でしょうか、着弾点が視認できます。

 

ちょうど良い16倍の手振れ防止機能

50mmの対物レンズ径で実現している16倍という丁度良い倍率。

的の中心というよりも標的外の周辺全体(50m先で3メートル超の視野角)が視野に入ります。

ベンチに腰を掛けたまま双眼鏡で着弾点を確認できるというのは初めての経験でした。

 

防振双眼鏡はオプトエレクトロニクス分野の製品であり、レンズやプリズムのみで構成される純粋な双眼鏡ではありません。

そのため、古典的な双眼鏡とは異なり、手振れ補正機能(防振ユニット)による特徴的な見え方があります。

 

 

2 アテラⅡ ED H16 x 50 WP 防振ってナニ?

高倍率でも手振れを防止する機能が付いている

ビクセンのアテラⅡ 16×50、かなり特徴的です。

対物レンズ径50mm。

色は屋外での使用を意識したアーストーン。

しかも倍率は驚異の16倍。

重量は800グラムちょっと。

 

おしゃれなストラップが付いています。

ストラップの色を選べるのは嬉しい。

全ての双眼鏡には収納ケースが付属していますが、アテラⅡのそれには透明なクリアポケットが付いています。

写真では、スカウトエアガンズ社エピックのバリスティックデータシートを入れてみました。

いい感じです。

 

ガジェット感が好きな方向けの双眼鏡

双眼鏡本体に電源スイッチが付いています。

オンにするとオレンジ色のランプが点灯。

アテラⅡ 16×50 には2種類の防振モードが付いています。

V1とV2。

揺れの大きさによってお好みでモード変更できます。

 

左写真は接眼レンズ側の図です。

眼幅調整が可能です。

ダハ型の双眼鏡っぽい感じですが、左右の接眼筒を根元からクイッと下方向へ優しく折り曲げると幅を調整できます。

電池は単4アルカリ乾電池×2本。

電池ボックスは双眼鏡の下側に配置されています。

 

双眼鏡のトップにはフォーカス用のリング。

これを左右わずかに回すことでピントを合わせます。

写真右は接眼部の視度調節。

見口にはツイストアップ型のラバーフィニッシュ。

 

防振双眼鏡市場はここ5~6年の成長市場

以前の常識では、手持ち双眼鏡の最高倍率は10倍程度。

しかしながら、手持ちで覗く倍率10倍は快適とは程遠い見え心地(グラグラと視野が揺れます)です。

ビクセンのアテラⅡ 16×50 防振双眼鏡、なんと対物レンズ径50mmに加え、16倍の視野を補正する為の防振機能が双眼鏡本体に内蔵されています。

 

価格はというと、ズバリ15万8400円(税込)。

お安い価格帯ではございませんが、新体験をお求めの方にはぜひ。

アルテスライフルスコープと同じくらいですね。

30万円のスコープをポチっといってしまう準備がある方、VixenのアテラⅡとアルテス5-30 x 56というのは良い組合せです。

 

3 狩猟用途としての双眼鏡

Vixenアペックス J HR8 x 42 ED

こちらはビクセンのアペックス J HR8x42双眼鏡。

 

対物にはEDレンズと呼ばれる高級ガラスレンズを採用しています。

重量は600グラム程度ですが、付属の太めストラップならば首からかけてもそれほど負担にはなりません。

 

国産かつ高級レンズを採用しておりますので、価格も少し高めの4万円とちょっと。

50m先にある標的の弾痕確認には厳しい倍率でしたが、防水設計でありアウトドアユースでも安心感のある双眼鏡です。

 

ビクセン アペックスJ HR8 x 42 双眼鏡 の商品詳細はこちら

 

VixenアトレックライトⅡ BR 8 x 30

こちらはレトロな見た目で馴染みのある双眼鏡らしいデザインのアトレックライトⅡ 8x30。

対物レンズ径は30mmと小ぶりながらも、ポロプリズム式と呼ばれる光学設計が用いられている双眼鏡。

 

最近の主流はダハ型と呼ばれるストレートな双眼鏡デザイン(2本の筒が並んだようなデザイン)かもしれませんが、ポロ型の特徴は小さな対物径でも明るく奥行を感じながら覗くことができる点です。

対物レンズの置き位置が広く、この点で少し好みが分かれますが、とにかくこれは覗きやすい双眼鏡です。

 

価格的にも26000円とちょっとですが、満足感の高い1本だと個人的には思っています。

重量は500グラム、もちろん防水です。

 

Vixen ビクセン 双眼鏡 アトレックライトⅡ BR 8×30 WP の商品詳細はコチラ

 

まとめ

今回は射撃場と狩猟の両方で使える双眼鏡はあるのか、というテーマでした。

 

実際に弾痕の確認作業に使用してみた感想は、アテラⅡ 16 x 50ならば100%問題なし。

むしろ快適に感じ、8倍双眼鏡では5.5mmのペレット着弾点確認は厳しいという結論です。

 

一方で、いざフィールドへ出てみると、移動しながら、歩行しながら、エンジンのかかった車上など、先に紹介した双眼鏡の各アドバンテージが発揮される状況もそれぞれございます。

ご予算、アフターサポートが整った製品をご購入することをおすすめします。

 

猟期解禁まで2カ月程度。

いよいよですね。

 

 

【VEMA:プロフィール】

ドイツと狩猟とおいしい話という狩猟用光学機器に関する情報発信Websiteを運営しています。

DoRaSight(ドラサイト)、ドイツ製のデントラーマウント、及びエラタックマウントの日本販売総代理店です。ドイツの狩猟見本市、狩猟事情にまつわるブログも不定期に書いています。

よろしくお願い申し上げます。

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