はじめに

ビクセンのライフルスコープ第5回目ブログです。

そろそろ猟期に向けた準備をはじめていらっしゃるハンター様も多いのではないでしょうか。

そこで今回はライフルスコープ実機を手に取った際に確認しておきたいポイントについて触れて参ります。

使用別のスコープ用途については第1回ブログで既にふれておりますので、今回はスコープ購入前に確認しておきたいベーシックなポイントを幾つか見ていきます。

 

1 自分に合った快適な1本を見つけたい

下記に述べる3つのポイントは、実際にスコープを手に取って覗いてみないと自分に合っているか否かの判断は難しいです。

AEGハンターズショップ様ではワークショップや射撃会等のイベントも定期的に開催されておりますので、実機が用意されているイベントや、実際に店舗へ足を運んでみると、狩猟用の光学機器選びは間違いがありません。

●アイレリーフ

スコープ接眼レンズ面から射手が置く目の位置までの距離。

●アイボックス

スコープを覗く際、快適に真円で見える目の前後上下左右空間。

●ディオプター

レチクルのピント調整機構。

 

次の章では上記の確認箇所ワードについて触れて参ります。

 

2 必要なアイレリーフを確認したい

ひとみ径とアイレリーフの長さ

アイレリーフの確認は大切です。

装薬銃/空気銃にスコープを取り付ける際、アイレリーフの長短によっては、ご自身が所持する猟銃への快適な頬付け位置にも影響を及ぼします。

 

さて、スコープの話をする際、必ず出てくるワードのひとつに前述のアイレリーフというものがあります。

日本人の目の「ひとみ径」(瞳孔の大きさ)は日中3mm程度、光が乏しい環境では最大で7mm程度まで無意識に収縮しています。

実はひとみの大きさはスコープを使いご自身で確認いただくことが出来ます。

写真の様にスコープを接眼レンズ側から覗き、見えている内側の小さな視野円がご自身のひとみ径ですので、ぜひ試してみてください。

 

家でもできる簡単な実験

今回、ビクセンのライフルスコープを幾つか用意しましたので、各スコープのひとみ径とアイレリーフを実際に見ていきます。

 

用意したスコープは、

Vixen 4-16×44(1インチ径)

Vixen 1-8x25ED(30mm径)

Vixen 2.8-15×56(30mm径)

Vixen 6-24×58(30mm径)

Vixen Artes 5-30x56ED (34mm径)

の5本。

チューブ径も1インチ、30mm、34mmとそれぞれ異なる5本です。

 

視覚的にわかり易く説明するため、今回ブログでは簡単な実験をしてみます。

用意するものはスコープと光源が強めのペンライト。

光源は、光が入射する対物レンズ側に配置します。

 

アイレリーフの視覚化

各スコープには仕様によりそれぞれ異なる長さのアイレリーフがありますが、装薬銃用のアイレリーフは10cm程度です。

余談ですが、アイレリーフが極端に短いライフルスコープを装薬銃で使うと、リコイルショック時に接眼部が眼や眼鏡等に当たり、怪我や失明など重大事故につながる危険がございますのでご注意ください。

ちなみにビクセンライフルスコープのアイレリーフは、10cm弱で設計されているものがほとんどで、装薬銃でも安心してお使いいただけます。

 

対物レンズ側から強い光を入射させると、接眼レンズ側で合焦するポイント(結像する点)が見えるようになります。

※このとき、接眼レンズから肉眼で覗くことはお止めください。

 

各スコープのアイレリーフ位置は、光の円が最小サイズでシャープに纏まるポイントです。

 

上図では、中心図が10cmのポイントで、左側が6〜7cm、右側が12〜13cm。

 

中心図で示したかったのは、射手が正しい位置に目を置いた場合のひとみへの光の入射です。

光の入射量(光束)に対し、明暗の環境によってひとみ径は約3~7mmの範囲で変化します。

 

特に装薬銃に用いるスコープの場合、アイレリーフの長さは購入前に確認しておきたいものです。

 

3 アイボックスを体感しよう

アイボックスも見ておくといいです。

ライフルスコープを見る際、アイレリーフに関連し、アイボックスというワードがございます。

 

簡単に言ってしまうと、スコープを覗き込んだ際、僅かに頭が前後上下左右の何れかの方向に動いた場合でもケラレずに(視野が真っ黒にならずに)、視野が真円でクリアに見える範囲ということです。

こちらの説明については、図解を使って別のブログにて機会があれば触れさせていただきます。

 

お手元のスコープを台に置き、前後上下左右の方向へ頭を動かすと、全くケラレない空間がありますので、それがアイボックスです。

 

この領域がタイト(狭すぎる)だと、僅かに頭が動いただけで視野にケラレ(黒くなる)が発生し、特に緊迫した猟場などにおいては見え方に快適さを感じない場合があります。

 

個人差が現れる場面ではありますので、この点でもスコープ購入前に実物を覗いてみることをお勧めしています。

 

4 ディオプターで視度を調節

レチクルをパキッと見えるように

カタカナが多いスコープの部位名称ですが、次のワードはディオプター。

日本語にしてみると、レチクルの視度調整ということになります。

ハンターの皆さまが誤った使い方をしがちなのもディオプターです。

 

このディオプター機能の本来の目的は、レチクルのフォーカス(ピント)を合わせるものです。

標的のピントを合わせるものではありません。

 

獲物または標的のフォーカス(ピント合わせ)は、サイドフォーカスあるいは、AO(対物レンズ側に付いているフォーカス調整リング)で行います。

 

このディオプターは、一度セット(*レチクルがパキッと見える位置で大丈夫)してしまうとほとんど触ることはないツマミだったりします。

 

5 まとめ

今回のブログ記事では、アイレリーフ、アイボックス、そしてディオプターの3つに触れてみました。

 

購入検討に際し、ご予算が許す範囲で最良の選択肢を選びたいものです。

一度に希望する全てを購入することは難しいので、気に入ったライフルスコープ、マウントリングといった銃器の周辺アクセサリーは、フィールドでの経験値を重ねながら少しづつアックグレードしていくのも長く狩猟を楽しむ方法かもしれません。

 

ハンター様によって、それぞれ異なる獲物、そして多様な自然環境下において取り組むハンティング。

ライフルスコープについて言えば、標的(獲物)が辛うじて見えるスコープ、あるいは、瞬間的な射撃動作の流れの中、素早くそしてクリアに視野に標的を捉えることが出来るスコープで狩猟に臨むか否かは、最終的な猟果にもインパクトを与える要素でもあります。

 

6 デントラーマウント

1本のスコープで全ての状況に対応することは難しく、巻狩り、ロングレンジ、標的射撃など、用途が異なるライフルスコープを複数所有することでチャレンジが可能な分野がグッと広がります。

 

ゼロインの心配があるかもしれません。

そんな方へご提案したいドイツ製の革命的なスコープマウントがあります。

 

デントラーマウント。

ハンターズショップ様、または最寄りのお取扱い銃砲店様へぜひお問合せください。ハンティングライフが劇的に変わります。

 

【VEMA:プロフィール】

ドイツと狩猟とおいしい話という狩猟用光学機器に関する情報発信Websiteを運営しています。

DoRaSight(ドラサイト)、ドイツ製のデントラーマウント、及びエラタックマウントの日本販売総代理店です。

ドイツの狩猟見本市、狩猟事情にまつわるブログも不定期に書いています。

よろしくお願い申し上げます。

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