【はじめに】
初めまして。VEMA(ベマ)と申します。
このたび、AEGハンターズショップ様からブログ連載の機会を頂戴し、2024年4月から毎月1回のペースで全12回をターゲットに、ビクセンのライフルスコープについての記事を書かせていただく予定です。
ビクセンのライフルスコープ導入をご検討の皆さまへ、写真と図解を用意しながらわかり易く、スコープ選びに際し有益な情報になるよう心掛けて参りますので、よろしくお願い申し上げます。
それではさっそく第1回目ブログ、はじまりです。
1 目指したいチャレンジを見つけよう。
どのスコープが自分には合っている?
ライフルスコープを初めて選ぶ際、使用目的(用途)が未だ明確ではない場合もあるかもしれません。
そこで、個別のスコープについて触れていく前に、ビクセンの歴代スコープ仕様概略図と、それらの用途別マッピングを用意してみました。
巻狩り、オールラウンド、遠距離射撃、3つのカテゴリーへの大分類です。
狩猟スタイル3つの大分類
ライフルスコープの種類は多く、それぞれが意図された用途に応じて用意されています。
【巻狩り】
変倍に低倍率の1倍を有していることから、視野角が広く、スコープ越しでも、両目を開きながら素早く視界に獲物を捉えることができます。
サイドフォーカスは搭載されておらず、ビクセンでは4倍比の1.5-6x42mmというモデル(生産終了)もかつてはこの分類でした。
【オールラウンド】
近距離での視野角に加え、サイドフォーカス機能を搭載しているため、もう少し倍率が欲しい中距離にも対応が可能なスコープ(オールラウンド)という仕様です。
現在のビクセンスコープでは、2.5-15x50mm、2.8-15x56mm辺りがこのカテゴリーに分類されます。
【遠距離射撃】
最後のカテゴリーはロングレンジ。
主に遠くの獲物を狙うため、対物レンズが大型化。
視野角は狭いものの、高倍率でも明るい光学設計を採用。
サイドフォーカス機能を有しているため、高倍率時でも標的がボケることなくクリアに見え、光が乏しい環境、曇天においても明るく解像度の高い見え味を持ったスコープ(遠距離射撃)がここに分類されます。
第1回ブログでは、巻狩り向けとして人気が高い低倍率スコープ、その中でも8倍比、Vixen ED 1-8x25mm に触れて参ります。
スコープの仕様面については、既に多くの媒体にて製品情報は周知されておりますので、この記事では製品の細部を見ていきます。
2 ビクセンにはEDレンズのイチハチがある。
ビクセン の新8倍比スコープ
イチハチ、イチロク、イチヨンといった呼び方があります。
これはスコープ光学設計の基本仕様を表わす言い方です。
1-8倍(イチハチ)、1-6倍(イチロク)、1-4倍(イチヨン)といった具合です。
このVixen ED 1-8x25mmスコープは、低倍率スコープでは一般的な対物レンズ径24mmではなく25mmで、さらにEDレンズを使用しています。
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25mm径対物レンズ
この対物25mm径でEDレンズを採用したという点については、贅沢な光学設計を意識したことも一つの理由かもしれません。
ただし、ダウンサイドとして、フロント側のマウントを取り付ける許容幅が多少犠牲になっています。
銃器への取付け時の注意点
上図の様なウィーバーピカティニー式のレールに取り付ける場合には問題はありません。
注意が必要なケース、それは排莢部をまたぐライフル銃への取付けです。
アイレリーフの調整には工夫が必要
前後に分離したツーピース型のスコープマウントを銃器レシーバー部へ仮固定し、スコープを前後させることでアイレリーフの位置を調整…。
スコープ取付け時に行われるこうした手順ですが、ビクセン ED 1-8x25mmの場合、対物レンズ側(前方)の特徴的な形状により、例えば写真のエラタックのスコープマウント(幅約25mm)では、前側の位置を2.5mm程度しか前後に移動できません。
前方リング取付けの最大幅は3cmと、やや狭いため、取付けを考えているスコープマウントがある場合、それらとの相性も事前に調べておくことが必要です。
3 スコープマウントの問題解決方法は常に身近に
アイレリーフ前後位置の問題解決
近年ではウィーバーピカティニー式のレールを備えている、または別の選択肢、あるいはそうしたサードパーティー製のレールを取付け可能な装薬銃も多いことから、シューター/ハンターに合った最適なアイレリーフ位置を確保する解決方法は身近に見つけることが出来ます。
例えばデントラーマウント。
リングとベースレールが分離していることに加え、前後のリング取付け位置を、ユーザーの好みで3つの位置から選択が可能です。
赤丸から青丸の位置までアイレリーフを後方へ移動できることは、デントラーが持つ特長のひとつです。
アイポイント高さの問題解決
銃器のレールにスコープを取り付けようとする場合、ストックの形状によってはスコープ取付けの高さに苦戦する(像が真円で見える真後ろに、上手く目を置くことが出来ない。)場合があります。
銃器によって、その解決方法はユーザーそれぞれ異なるかもしれません。
銃器は肩に担いで山で動き回ることから、重量が気になる方、その点はあまり気にならないものの、着脱の利便性や見た目に重点を置いている方など。
一度、AEGハンターズショップ様へご相談してみてはいかがでしょうか。
4 目立たない機能面の改善
照明装置とレチクルがちょっと改善
ビクセンED1-8x25mmには照明装置が内蔵されています。
このモデルに採用されている調光システムは8段階式、センタードットのイルミネーションです。
ツマミダイヤルには8段階の数字が付いています。
数字の間に打ってある点は電源オフ。
レチクルは、デュープレックスの他に、ゼロプラスⅡ(ツー)と呼ばれるBDCレチクルが新たに採用されています。
照明装置とレチクルがちょっと改善
ED 1-8x25mm ZeroPlus2(ツー)のレチクルはSFP(セカンドフォーカルプレーン/第二焦点面)で、ズームリングの拡大・縮小の操作で見た目のレチクルサイズは変わりません。
レチクルはDP(デュプレックス)とZeroPlus2(ゼロプラスツー)の2種類が用意されていますが、本ブログでは特徴的な後者について解説します。
以下のMOAの読み取り数値は、最大倍率の8倍時のものになります。
イルミネーション機能のある中央のドットサイズは1MOA。
ドット中心から左右(水平)と下方向の20MOAが100m先を覗いた場合に約60cmになります。
さらに中央ドットの左右に位置する水平ワイヤーが40MOAで、100m先を覗いた場合に約120cmと読み取ることが出来ます。
距離50m先を覗いた場合では、それぞれ半分の約30cm(20MOA)、約60cm(40MOA)といった具合に指標として使うことができます。
イルミネーションの消灯がラク
ビクセンの別モデルでは、電源オフの位置が固定されているため、例えば輝度6の位置でイルミを点灯した場合は、いちいち消灯(オフ)の場所までツマミを戻す必要がありました。
このVixen ED1-8x25mmでは、白点の位置で電源をオフにできるため、前後のいずれかに一つツマミを動かすだけで消灯となります。
最大輝度8の隣に最小輝度1があるので、輝度調節も大変便利になりました。
ウィンデージ/エレベーションにはキャップ付き
ロープロファイルな外観デザインのウィンデージ/エレベーション。
写真はキャップを取り外した状態です。
1クリック当たりの移動量は、1/4MOA。
この移動量ですが、本連載記事におきましては、狩猟におけるMOA読み取りとして、100m先で1クリック(1/4MOA)当たりの移動量を約7mm強程度とし、話をすすめさせていただきます。
4クリック(1MOA)で約3cm。
ただし、精密射撃や遠距離射撃では、小さな誤差の累積は大きな誤差になりますので、この限りではありません。
ゼロストップといった機能は搭載されていませんが、一度設定してしまえば、キャップが付いているため、ツマミがズレることはありません。
ゼロイン後に目盛りのみを空転させ、目盛りをゼロに合わせる「ゼロリセット」という機能は、ビクセンライフルスコープ全機種に搭載されています。
電池はCR2032使用
Vixen ED1-8x25mmスコープの電池フタは、コインで開けられるよう、金属製フタに太いスリットが入っています。
市販のCR2032ボタン電池を使用します。
接眼部まわりは無骨なタクティカルデザイン
接眼筒のサイズは大きな印象です。
レチクルのピントを合わせるためのディオプターはラバーではなく、アルミ製リングに深めのターレットが刻まれています。
ズームリングにも同様、深くエッジの立ったターレットが刻まれており、ビクセンED1-8x25mmスコープは全体的にタクティカルなデザインです。
5 まとめ
どのスコープが自分の狩猟スタイルに合っているのか。
大きさも見た目も選択肢が多いライフルスコープですが、狩猟の目的がはっきりすると、スコープを選ぶ作業は難しくありません。
あとはご予算とお好みのデザイン。
一緒にいると気分が上がると「仲間」であると感じることも、スコープ選びには大切な要素です。
ということで、第1回目ビクセンのライフルスコープは Vixen ED1-8x25mm に関するブログ記事でした。
第2回に取り上げるスコープは未確定ですが、ぜひお楽しみに。
6 ビクセン ED 1-8×25仕様表
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【VEMA:プロフィール】
ドイツと狩猟とおいしい話という狩猟用光学機器に関する情報発信Websiteを運営しています。
DoRaSight(ドラサイト)、ドイツ製のデントラーマウント、およびエラタックマウントの日本販売総代理店です。
ドイツの狩猟見本市、狩猟事情にまつわるブログも不定期に書いています。よろしくお願い申し上げます。