どうもこんにちは、番頭です。
今回は、皆さんご存知の「銃カバー」について、その正しい用法をおさらいしてみましょう。

 

1 銃カバーが必要な根拠

(1)法律の根拠

「銃を持ち歩くときは『銃カバー』が必要だ!」ということは、皆さん、何となく理解されているかと思います。

銃カバーが必要な根拠は、もちろん銃刀法にあります。

銃刀法第10条(所持の態様についての制限)

第4項 第四条又は第六条の規定による許可を受けた者は、当該許可を受けた銃砲等を携帯し、又は運搬する場合においては、第二項各号(※)のいずれかに該当する場合を除き、当該銃砲等に覆いをかぶせ、又は当該銃砲等を容器に入れなければならない。

ここでいう※「第二項各号」とは、まさに狩猟や、射撃場で行う射撃のことを指します。

要は、所持の用途(狩猟・標的射撃・有害鳥獣駆除)に従って使用するときを除き、銃を「携帯」したり「運搬」する場合には、銃に「覆い」をかぶせたり、「容器」に入れたりしなければならない、と書いてあります。

例えば、公道上での狩猟は鳥獣保護管理法で禁止されているため、銃を所持した状態での公道上の移動は通常、銃を「携帯」しての「運搬」に当たりますので、いわゆる「ハダカ銃」は違法、となります。

 

前後しますがそもそも、用途どおりにこれから使用しようとする場合や、その他正当な理由(修理や売買など)がある場合を除いて銃砲等の携帯や運搬をすることは禁じられていますので、合わせて注意しましょう。

銃刀法第10条

第1項 第四条又は第六条の規定による許可を受けた者は、それぞれ当該許可に係る用途に供する場合その他正当な理由がある場合を除いては、当該許可を受けた銃砲等又は刀剣類を携帯し、又は運搬してはならない。

 

(2)法律の書きぶりの正しい理解

ここでしっかり理解しておきたいことは、法律上、「銃カバー」や「銃ケース」という用語は使われておらず、あくまでも「覆い」や「容器」だということです。

また、「山の中では銃にカバーをしなくていい」と仰る方をときどき見かけますが、法律上は場所に関して制限された規制とはなっていません。

そもそも狩猟や有害鳥獣駆除以外の目的で山の中で銃を携帯、運搬することはなく、その意味で間違いとは言えませんが、ここは正しく理解しておいた方が良いでしょう。

 

(3)銃カバーを紛失した場合

狩猟や駆除活動のために山に入ったとしましょう。

最初はもちろん銃カバーをして山に入り、狩猟のためにそれを外します。

その後、山を歩いたりしているうちに銃カバーを紛失してしまったという経験はありませんでしょうか?

猟が終わって下山する際に予備の銃カバーを持っていれば問題ありませんが、予備が無ければどうすれば良いのでしょうか?

「無いものは無いので、ハダカ銃で下山しかない!」と考えるのはかなり早計でして、さきほどの銃刀法の根拠に従えば、銃カバーでなくとも「覆い」であればこと足りる、と理解できます。

よって銃カバーを紛失した際は、一時的な方法として、タオルでも上着でもいいので何かを「覆い」として使って銃にかぶせることで、まずはその場を凌げると考えられます。

念のため申し添えますが、この点についてわざわざ警察に見解は確認していませんし、知る限り裁判で争われた記録もありませんので、私の推論の範疇ということでご理解願います。

また「一時的な方法」と書きましたが、通常、銃の「覆い」として使われるものが「銃カバー」であることは、われわれハンターもシューターも、そして警察も共通認識として持っているかと思います。

普段からあえて銃カバーを使わず、シャツやタオルを巻くだけで「これが『覆い』だ!」と強弁することに何の意味もありませんし、果たしてそれが銃刀法上のお咎めを受けないのか否か、私はまったく保証しませんので、銃カバーの紛失という危急のときの対応に留めておくのが無難でしょう。

 

2 カバー派?ケース派?

銃カバーと、銃ケースと、銃の見た目を隠すものとしてはおおむねこの2種類があります。

都道府県によっては警察の指導で、警察署に銃を持ってくるときは銃ケースの使用を求められることがあるそうです。

銃刀法上は、銃カバーでも銃ケースでもどちらか使用して携帯、運搬すれば違法ではありませんので、警察の指導にそこまで従う必要はないと考えることも一理ありそうです。

ただ、銃カバーと銃ケースでは法律上は同じ位置づけでも、機能に差があるので、警察のそういった指導も、目的は別としてもあながち外れているとも思えません。

 

(1)銃カバーの機能

銃カバーの多くは、薄い生地が縫い合わされて出来ただけの簡易なものになっています。

軽く、柔らかいので、銃にかぶせたり取り外したりの作業がスムースで素早く行うことができます。

出猟時に猟場を出入りする際などには、やはり誰もが銃カバーを使っているかと思います。

一方で簡易な造りであるため、何かの拍子に簡単にめくれてしまいますし、何かに引っ掛けて破けることもありますし、何より、銃やスコープなどを保護する機能としては表面の擦れ防止ぐらいのもので、耐衝撃性は皆無と言っていいでしょう。

銃刀法上の違法にならないという意味で銃カバーはお手軽で便利なものですが、「携帯」や「運搬」をする際の道具として必要な機能を考えると、本来は銃ケースを使用する方が理に適っていると言えます。

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(2)銃ケースの機能

いわゆる銃ケースは、内側のクッション材にポリウレタンなどが使われたソフトガンケースと、外装にプラスチックや合成樹脂などが使われて頑丈なハードガンケースの2種類があります。

銃に対する防護性能はもちろんハードガンケースに軍配が上がりますが、どちらも銃を覆うことだけを目的としているのではなく、積極的に銃やスコープを外的要因(衝撃や風雨)から守るという目的に沿って製造されています。

猟場、射撃場、警察署などまで銃を運搬する際、普通は車移動になるでしょうから、走行中の衝撃から銃を守るためには銃カバーだけでは足りず、しっかりした銃ケースに入れておく方が良いでしょう。

この意味で、警察から「銃を持って来るならケースに入れてね」と言われることも、あえて反発する理由は無いと思います。

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特にスコープやドットサイトなどを搭載している場合、外的な衝撃は出来るだけ避けたいですよね。

法律の規定はさて置いても、愛着のある銃やスコープはしっかり守ってあげたいものです。

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